迷言 「大河ドラマが好きになると歳だと思え」
大河ドラマ風林火山は時々見ている。
ドラマを時々見るだけでは面白みが分からないが、
色々要素が重なって毎週欠かさず見ることは出来ない。
それでも、ついつい見てしまうのは面白さゆえだろう。
最初のころはつくられ過ぎの感じがあったが、
次第にそんな感じもなくなり、山本勘助が魅力的になってきた。
山本勘助の存在感は勿論だが、
違和感のあった由布姫も何度も見るうちに、
まあいいかぐらいにはなってきた。
「大河ドラマが面白くなってきたら歳だ」と思えと、
何年か前に旧友から言われたことがあるが、
そんな馬鹿な、面白いものは面白いと、
心の中で居直ってみる。
ついに、武田信玄の宿命のライバル上杉謙信が登場した。
越後の虎、毘沙門天の化身、なぞの武将を演じるのは誰かと思った。
予備知識があればそれがガクトだと直ぐに分かると思うが、
上杉謙信を演じているのはジャニーズ系の歌手かと思った。
神秘と謎を纏った若き日の謙信がガクトとは思わなかった。
ガクトのドラマ出演など思考範囲の外にあった。
ガクトの謙信は、炎に包まれて十分過ぎる神秘性はあり、
毘沙門天の化身にしては西洋的な感じも否めないが、
新しい謙信像が生まれそうだ。
朝日新聞のTVナビにガクトの写真が載っていた。
「歴史を学び、未来をつくる」で紹介文を読んでみた。
狂気をまとった武将はガクトにぴったり当て嵌まりそうだ。
素顔の写真にはサングラスの神秘性とは異種の神秘性を感じる。
その神秘性は天草四郎をお思わせた。
なぜかは説明できない閃き的なもので直ぐに消えた。
それは、おそらくあの眼光の中に宗教的な一途さを感じたかもしれないが、
写真のトリックにはまった気もする。
「トレーニングで体を絞りながら体重を9キロ増やし、撮影に臨んだ」
体を絞りながら、体重を増やすトレーニングの過酷さは予想も出来ないが、ガクトの熱情が伝わってくるような迫力はそのトレーニングに裏打ちされたものかと思った。
「謙信を通し、若い世代や海外の人に日本人の心を伝えたい」
の、ガクトの言葉は、少々力み過ぎで、よけいな精神性に捉われすぎる嫌いはある。
と来ては少々どころか、
上杉謙信も戸惑う余計な概念を抱えてしまい、
見るほうも白けるだろうが、
ガクトの言葉ではなく、記者の言葉のようで安心した。
「日本人の心とか」、
「メイド・イン・ジャパン」、
「和の心」とかの、
押し付けがましい精神性からの自由がガクト的と思うが、
新聞の紹介記事を見ると、興ざめしてしまった。
毘沙門天の化身が、
ガクトが持つ神秘性が、
何のことはない最も安全な、
和の心とか日本人の心とかになっては魅力も半減する。

