日本の女性監督の作品と聞いただけでもわくわくする。
「殯(もがり)の森」河瀬直美監督だ。
心を閉ざす男と女の物語
老いた男は認知症で死んだ妻との思い出の中に生きている。
若い女は子供をなくし、夫ともわかれ罪の中で生きている。
心を閉ざした男と、
罪にもがく女は、互いに見ぬふりをして生きている。
ある日、男の妻の思い出の詰まったリュックを女は何気なく手に取った。怒りの男は女を突き飛ばす。看護する女を認知症で看護される老いた男が突き飛ばす。
患者に突き飛ばされる女は何もかも自信を失う。そんな若い女を主任はやさしく見守り「こうしゃんなあかんってこと、ないから」
と励ます。
老いた男と若い女は、それぞれ不器用に必死に心を開こうとする。
日本の原郷、奈良県の東部の山の中、
葬式の行列が静かに進む。
全てが始まり全てが終わる。
老いた男がいい、若い女がいい。
子供のように茶畑での隠れんぼ、、、。
老いた男を助ける為に、若い女は服を脱ぎ、
美しい体で醜い老いを暖める。
全ての境界が消え、
全ては大きな命の中へ引き込まれる。
殯(もがり)の森は全てを抱き、全てを育み、全てを飲みこむ。

