2007年05月27日

殯(もがり)の森

「こうしゃんなあかんってこと、ないから」



日本の女性監督の作品と聞いただけでもわくわくする。

「殯(もがり)の森」河瀬直美監督だ。

 心を閉ざす男と女の物語
 老いた男は認知症で死んだ妻との思い出の中に生きている。
 若い女は子供をなくし、夫ともわかれ罪の中で生きている。
 心を閉ざした男と、
 罪にもがく女は、互いに見ぬふりをして生きている。

 ある日、男の妻の思い出の詰まったリュックを女は何気なく手に取った。怒りの男は女を突き飛ばす。看護する女を認知症で看護される老いた男が突き飛ばす。

 患者に突き飛ばされる女は何もかも自信を失う。そんな若い女を主任はやさしく見守り「こうしゃんなあかんってこと、ないから」
と励ます。

老いた男と若い女は、それぞれ不器用に必死に心を開こうとする。

日本の原郷、奈良県の東部の山の中、
葬式の行列が静かに進む。

全てが始まり全てが終わる。

老いた男がいい、若い女がいい。
子供のように茶畑での隠れんぼ、、、。
老いた男を助ける為に、若い女は服を脱ぎ、
美しい体で醜い老いを暖める。

全ての境界が消え、
全ては大きな命の中へ引き込まれる。
殯(もがり)の森は全てを抱き、全てを育み、全てを飲みこむ。
posted by mayoibsi at 07:48| Comment(0) | TrackBack(2) | 愉快に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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